シン・フェイン、各地で健闘
日本でも広く報じられているように、アイルランドでは総選挙が行われ、ほぼ開票作業が終了しました。残りは2議席です。
これまでのところの議席数は以下のようになっています。
フィナ・ゲール(Finne Gael=FG) 49
共和党(Fianna Fáil=FF) 44
シン・フェイン(Sinn Féin=SF) 23
無所属(Independent=IND) 17
労働党(Labour Party=LP) 6
反緊縮-国民優先連合*
(Anti-Austerity Alliance-People Before Profit=AAA-PBP) 6
無党派連合(Independent Alliance=IA) 6
社会民主主義者(Social Democrats=SD) 3
緑の党(Green Party=GP) 2
*反緊縮-国民優先連合:私の拙訳です。緊縮政策に反対し、企業の利益より国民(労働者、消費者)の立場を優先させる、「左派」勢力です。
2011年の総選挙ではそれまで政権党だったFFが78議席から一挙に20議席になり、第三党へ転落しましたが、今回はFGと連立を組んでいたLPが37議席から6議席へと前回のFF以上の落ち込みで、FGの減少(76→49)と、与党勢力が一気に凋落しました。そうは言ってもFGは第一党を保っています。
FFは倍増しましたが、それでも44議席で、第一党に返り咲くことはできませんでした。
代わって伸びたのがSFとAAA-PBPです。SFは2007年の総選挙で得た4議席から2011年には14議席へ伸ばし、今回23議席ですし、AAA-PBPに至っては少数とはいえ、0→2→6議席です。
LPへの批判が著しかったことを考えれば、FG-LP連立の復活はありえないでしょうが、そうなると、第一党のFGがどこと連立を組むかということになります。議会の定数は158ですから、過半数になるためには80議席が必要です。FG+FFという大連立もありえるでしょうが、戦時中ならともかく、日本で言えば自民党-民主党連立みたいなもので、国民にとっては意味不明です。
SFの中には民族主義者もいればマルクス主義者もいます。AAA-PBPはそもそもFG-LPのこれまでの政策に反対してきたグループです。
組閣がうまくいかず再選挙になるのかどうか。
まだしばらく混迷が続きそうです。
※3月3日追記:
最後の2名が確定し、FFが1議席増え50議席に、LPも1議席増え7議席になりました。
LPはかろうじて議会での発言権を確保しました。