2020/02/27

どうなるオリパラ

驚くことではないが・・・

 私が第一報を得たのは2月15日のことでした。海外からです。
 「オリンピック/パラリンピックのロンドン代替開催の可能性について水面下で検討されている。」

 水面下? 何の水面下? 

 5日後の2月20日、5月に行われる英国ロンドン市長選挙立候補予定者2人から「新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のため、もし東京でオリンピック/パラリンンピックを開催することが困難になった場合、ロンドンで代替開催する用意がある。」という発言があった旨、報道されました。

 「そうか、このことか。」と私は思いましたが、市長選候補予定者としても、何の根拠もなく、単なる思い付きでこのような発言をするはずがありません。しかも、2人ほぼ同時に。やはり「水面下の動き」はあったのでしょう。

 そして昨日(2月26日)、IOCの一委員が五輪中止の可能性について言及し、さらに今日(2月27日)になって1年延期案まで出てきています。

 日本では五輪担当相が「大会が開催できるよう準備に取り組んでいきたい。」と言ってます。

 そもそも欺瞞体質首相の安倍晋三が「(震災による放射能漏洩は)アンダーコントロールにある。」と大ウソをついて引っ張ってきた五輪ですし、私は「日本がそんなことやってる場合か?」と思っていましたが、一方、五輪を目指して日々努力しているアスリートたちのことを考えると、この場に及んで今更中止するのもなぁと情緒的共感も抱きます。

 それにしても、情報収集・処理・発信能力、外交・交渉能力に乏しい日本スポーツ界や日本政府のことを思うと、五輪のマラソン会場が札幌に変更された時のように、日本は理詰めの主張をするでもなく、ただただIOCの決定に従うことになるのでしょう。

 IOCの運営規程等で代替開催についてどう謳ってあるか、あるいは謳ってないかわかりませんし、IOCにしたって東京開催を敢えて変更したいと思うはずがありませんが、もしもの時でも"金づる"五輪を単純に中止はしたくはないでしょう。ですから、私はロンドンでの代替開催もありうるのではないかと思っています。「火のないところに煙はたたない」でしょう。
 いずれにせよ、「営利団体」IOCのことですから、選手のコンディションではなく、金銭的な損得を考えて決めるのでしょうが。

 もちろん、"万が一"の場合、次にどうするかを予め考えておくのはリスクマネジメントの基本です。
 「東京開催不可能」は完全に想定内です。

2020/02/11

どうするシン・フェイン

シン・フェイン大躍進
第1党は共和党(フィァナ・フォイル)

 アイルランド下院議員総選挙の全議席が確定し、結果は以下の通りです。(得票率順)

シン・フェイン(SF) 37(24.53%)
共和党(FF)     38(22.18%)
フィナ・ゲール(FG) 35(20.86%)
無所属・他(OT)    21(15.39%)
緑の党(GP)     12(7.13%)
労働党(LP)       6(4.38%)
社会民主党(SD)     6(2.90%)
(略)連帯(SPDP)   5(2.63%)

 議席は全部で160ですから、半数は80で、上位3党のうちどの2党の組み合わせでも過半数を達成できません。単独与党ではとても持ちませんから、どうしても連立、しかも3党以上の連立が必要です。

 これまでのFG+FFが否定された結果ですから、この組み合わせはないでしょう。

 ここで注目されるのは劇的な大勝という結果のSFの動きです。

 SFの議員の一部が選挙戦勝利の後アイルランド共和軍(IRA)を鼓舞する「Up the RA!」と叫ぶ一方、党内にはIRAを支持する呼びかけを停止しようとする動きもあります。また、SFがGPやLP、SDなど"左派"勢力に連立を呼び掛ける可能性もあります。

 ただ、私はSFがあわてて政権の中枢に座ることは避けた方がよいと思います。党内や国内、そしてイングランドに占領されている北アイルランドでは一挙にアイルランドと北アイルランドが統一する期待があるかもしれませんが、SFは政権運営の経験がありません。
 アイルランドにはかつて一部がテロリスト集団を作っていたアイルランド共和軍(IRA)の後ろ盾になってきたSFに対し嫌悪感を抱く国民もいるといいます。

 ずる賢いイングランド政府を相手にするには、"真っ向勝負"ではなく、これまで英国(≒イングランド)とのパイプを築いてきた第一党のFFに花を持たせ、FF+SF+GPといった中道左派政権の中で統一の道を作り、近い将来の北アイルド併合を目指した方がよいと思います。

 理想を達成するために現実に対応することも必要です。

 でもやはり、Tiocfaidh ár lá !(Our Day will come!)です。

 その動きはスコットランド再独立につながる可能性があります。

2020/02/10

アイルランド下院総選挙速報

Historic Day for Sinn Féin(RTÉ)

 2日連続でアイルランド下院議員総選挙の話題です。

 2月8日に行われたアイルランド下院議員選挙の開票が粛々とすすめられ、日本時間2月10日23時現在、160議席中102議席が確定しました。
 シン・フェイン(SF)が36議席で他党を引き離しています。
 政権党のフィナ・ゲール(FG)は19議席、閣外で連立的協力をしている共和党(フィァナ・フォイル)(FF)は21議席と苦戦しています。また、緑の党(GP)は7議席奪い、大躍進と言ってよいでしょう。

 残りは58議席ですが、単独過半数を制する政党はなく、どのような連立になるか、アイルランド国民ならずとも固唾をのんで見守っています。
 42名しか候補者を擁立していないSFが第一党になる可能性はなく、FFSFと連立を組む可能性が大きいと言えそうです。

 明日中には全容が判明するものと思われますが、連立政権樹立にはもう少し時間が必要かもしれません。

2020/02/09

現在開票中

3党混戦

 アイルランド下院の総選挙が2月8日に行われ、現在開票作業が行われています。
 アイルランドの公共放送RTÉと日刊紙アイリッシュ・タイムズが行った出口調査ではヴァラッカー首相率いるフィナ・ゲール(FF)がトップに立っているものの、その得票率は22.4%で、2位のシン・フェイン(SF)(22.3%)、続く共和党(フィアナ・フォイル)(FF)(22.2%)と差がないといってよいでしょう。
 更に、第4位には緑の党(GP)(7.9%)がつけていて、かつては連立政権与党でいたこともある労働党は見る影もなく衰退が顕著です。

 議席数は今後固まっていきますが、英国のEU離脱を受けて、北アイルランドの動きを見る上で極めて重要な選挙であり、その結果が待たれます。

 明日には全議席が確定すると思いますが、新内閣が固まるのには時間がかかるかもしれません。当面目が離せないアイルランド情勢です。