2020/05/11

悪乗り

誰のため?何のため?

 世の中の混乱に乗じて私欲、利権が渦巻くことがあります。
 「火事場泥棒」などということばもあります。
 新型コロナウィルスを巡っても例外ではありません。どんなことがあるか、チョット考えてみました。

1)〔米国〕大統領選挙戦略
 トランプ大統領のことです。
 自らの失政を中国のせいにし、中国叩きで自分の優勢をアピールしようとしています。
 私も、中国の初期対応はまずかったと思いますし、WHOにしても、素人的にも目に見えていたパンデミック宣言を、なにを血迷ったか遅れ遅れにしてしまいました。
 これらは、今回の事態が一段落したら改めて厳しく検証する必要があるでしょうし、WHOは中国に調査に入るようで、中国もこれを受け入れるとしています。
 ただ、トランプに関して言えば、今それを言うか?やるか? 誰のため? という思いは多くの人が持つでしょう。
・・・まさにトランプ自らの失政を隠蔽するためでしょう。

2)〔日本〕憲法改正
 内閣総理大臣安倍晋三の信念であり"悲願"でもある憲法改正を混乱に乗じて実行しようということです。
 私は憲法を変えてはいけないと思ってはいませんし、憲法のどこにも「変えてはいけない」とは書いてありません。それどころか、改正の手続きが示されています。時代に合わせ、変えた方がよい部分は変えていけばよいと思います。もちろん、改正の必要がなければこのままでよいでしょう。
 一方、変えること自体を目的化してしまっている人がいます。安倍晋三もその一人です。
 もちろん、政治家たる者、自分の信念を持つことは当然で、そのこと自体が悪であるとは全く思いません。
 ただし、彼の視点、主張は「政権の独裁化」と軍備による「強い日本」作りです。もっと言えば、大日本帝国憲法への回帰です。
 今回、緊急事態宣言を出しておきながら、敢えて"自粛要請"に強制力を持たせず、否、持たせないように振る舞い、「憲法が許してくれないので強制できない」と言って憲法を変えるのです。"本丸"である第9条に手を付ける前に、国民の理解が得られ易い緊急事態条項を盛り込もうとしているのです。
 そもそも市民行動の管理は自民党の憲法改正案にもあり、突然言い出されたわけではないのですが、今回の事態を踏み台にし、国民の"理解"を得ようと企んでいるのでしょう。
 行動制限など、憲法を変えず、現在の法体系の中でできることと法曹界の人たちは言っています。
 騙されてはいけません。
 緊急事態条項の次に来るのは第9条の改正(=軍拡)です。

3)〔日本〕マイナンバーカードの普及
 マイナンバーカード構想は悪夢のような、否、悪夢そのものだった旧民主党政権下で出されたもので、地域の小売店を苦しめる大型スーパーに深く関わる岡田克也は推進役の代表みたいなものです。
 それはそうとして、マイナンバーカードは権力者が国民一人一人を監視する材料に使えますし、旧民主党はそうしたくて出してきました。立憲民主党でも国民民主党でも本質は旧民主党と変わりません。現在の政権党である自民党も「しめた」とばかり受け継いでいます。政権が他党に代わっても、権力者というのはそうしたものです。
 「このマイナンバーカードを使えば10万円の給付金が早く手に入るよ。」と言って国民をたぶらかし、一挙にマイナンバーカードを普及させようとしていますし、今度はマイナンバー通知カードをなくし、マイナンバーカードなしでは物事がうまく進まないように制度を変えようとしています。
 私もマイナンバーカードは便利であることは認めますが、それと引き換えに国家権力に自分を売り渡すようなことはしたくありません。
 個人情報の扱いは煩雑である方がよいと思います。

4)〔日本〕旅行券等
 新型コロナ対策として出された100兆円を越える予算ですが、その時点で必要な政策を積み上げたわけではありません。とりあえず予算を計上しておき(予算取り)、各省庁に「何に使うかアイデアを出して。(いわゆる"タマ出し")」と呼びかけるだけです。いつものように。
 そんな中で観光庁から出てきた「観光予算」です。
 こんなひも付き補助は誰が欲するでしょうか。
 ほしいのは現金です。それを何に使おうと個人の自由です。新型コロナ禍によって失われたものは個人によって違いますから。
 旅行業界と手を組んだ有力国会議員はいませんか?
 100兆円あれば、すぐにできることがあります。新型コロナ禍で困窮している人への直接の支援です。それは「経済政策」ではなく、「社会保障」でしょう。
 "旅行券"だけではありません。コロナにかこつけた摩訶不思議な政策があの省、この庁から出てきますよ。
 

5)〔日本〕9月入学
 以前から特にヨーロッパ等に合わせ、入学を9月にしようという考えはありました。確かに、"世界基準"と言うなら、一考の余地はあります。
 ただ、そのためには社会の諸制度との調整が必要です。
 導入するにしても、混乱している今でなくてよいでしょう。
 知事会の人の中には9月入学制を主張する人もいますが、知事は都道府県の代表ですから、その地方の意見を代表すべきで、自分の考えを唐突に言うべきではありません。(学校の9月入学を政策に置いて選挙を行い当選したのならまだ許せますが。)
 さらに、教育については教育者の意見を聴くのは必須です。
 ただ、安倍晋三は学者、研究者等の"知識人"が大嫌いですからね。
 
 ついでにというか、ドサクサに紛れ、国家公務員の定年延長と検事総長の定年延長を混ぜこぜにする話も出てきました。

 不要不急の行動の「自粛」を求めるなら、自らも不要不急の行為を制し、今とりくむべきは何かを真剣に考えるべき時ではないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿