2013/12/25

皇后杯決勝戦

"女王"INACに肉薄

神戸 2-(4 PK 3)-2 新潟

皇后杯全国女子サッカー選手権大会決勝は12月23日、NACK5スタジアム大宮で行われ、アルビレックス新潟レディースINAC神戸レオネッサと対戦しました。スタジアムゴール裏には新潟からだけでなく、関東地方を中心に各地から1000人規模のサポーターが駆けつけオレンジユニフォームで選手を後押ししました。(INACのファン?の多くはバックスタンドで腰掛け「観戦」のようでした。)

試合は、開始早々にアルビL 山崎円美がシュート。これはバーに阻まれます。
その後、INACが攻撃を仕掛け、アルビL は防戦一方の展開になりました。しかし、GK一谷朋子、CB北原佳奈中村楓を中心とするDF陣が体を張って守ります。キャプテンの上尾野辺めぐみも攻守に走り回ります。両サイドバックの小原由梨愛高村ちさとは果敢に攻撃に参加します。

すると前半も間もなく終わろうとする42分、相手ボールをカットしたティファニー・マッカーティーが独走し、最後はスライディングシュート。これが決まってGOOOAL!!! 新潟先制! ここまでシュート1本だった守勢の新潟がまず均衡を破りました。神戸 0-1 新潟
新潟が完全に押せ押せムードになりましたが、前半はアディショナルタイムなく、めぐがFKのボールをセットしたところで終了し、新潟が1点のアドヴァンテージを持って後半に臨みました。

後半に入ると新潟が俄然元気になります。次第に神戸にはイライラ感が漂い、オフ・ザ・ボールの場面であからさまに挑発行為をする選手も出てきます。この辺が場慣れしているというか、駆け引きでのズルさも心得ている神戸の選手なのでしょうか?
そんな中で神戸FKからの意表をついたDFの滑り込みゴールで同点に追いつかれました。神戸 1-1 新潟

新潟は勝ち越しを狙うべく、後半29分、MF児玉桂子に代わりストライカーの大石沙弥香を投入しし、攻め込む場面を作りますが、神戸DF陣にしっかり守られ得点できません。
両チームとも譲らず、試合は延長戦に突入しました。

延長前半3分、神戸のCKのボールはGK一谷が一旦は抑えましたが、こぼれたところを決められ、逆転されました。神戸 2-1 新潟

延長前半はこのまま終了し、後半に移ります。
ここで新潟は佐伯彩を下げ、平井咲奈を入れ、まずは同点を狙います。
すると延長後半6分、その咲奈のパスを受けたティファニーが相手DFを交してシュート。これが決まってGOOOAL!!! 新潟追いつく! 神戸 2-2 新潟
ゴール裏の声援は一段と大きくなり、スタジアム全体に響き渡ります。

しかし、追加点を奪えずPK戦での勝負になりました。

こうなるとキッカーとキーパーの駆け引きです。一谷も最初の一本は弾きましたが、結果としては場慣れしている神戸が勝っていました。

「試合は引き分けで、優劣を決めるためのPK」という見方もありますが、そして元日本代表監督(現、ボスニア・ヘルツェゴビナサッカー連盟名誉会長)のオシムさんも似たようなことを言っておられますが、規程にある以上、PK戦も含めてのゲームですので、負けは負けです。

この悔しさを来年以降に、もちろんリーグ戦を中心にしっかり生かしてほしいと思います。

それにしても、準決勝の伊賀FCくノ一もそうでしたが、日本代表選手をずらりと揃えたINACをここまで苦しめたチームの戦いは見事でした。

金満傲慢INACの選手が「勝って当然」のような言いっぷりでインタビューに答えていましたが、本音であるかどうかは別として、そんな驕りがゲーム中の反則まがいの粗暴な行為にもつながっているのではないかと、敵チームではあるものの、残念な思いもしました。

新潟のサポーターだから、そして、負けたから言うわけではないのですが、女子サッカー界のために、1強の状態はよくないと思います。プロ野球のように、球団(クラブ)任せの運営になってしまうのではなく、JFAを中心にきちんと組織的に対応しないと今後の発展はないでしょう。

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