サッカーワールドカップブラジル大会で日本代表は決勝トーナメント進出を逃しました。
代表選手の中にはヨーロッパのクラブで活動する何人かも含まれ、全てとは言いませんが、多くのクラブでは日本を含む各国の代表選手の活躍をホームページ等で紹介しています。
アルビレックス新潟からドイツのVfBシュトゥットガルトへ行った酒井高徳(ゴートク)もその一人で、ゴートクが出場する機会もなく、日本が敗れたにもかかわらずその様子を報じています。
そのようなクラブはいくつかあり、例をあげれば
・VfBシュトゥットガルト
酒井高徳→クリック(完敗、出場機会なし)
ヴェダド・イビシェヴィッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)→クリック(ボスニア初ゴール)
カルロス・グルエソ(エクアドル)→クリック(大事な勝利)
・マンチスター・ユナイテド
香川真司→クリック(敗退)
ハビエル・エルナンデス(メキシコ)→クリック(クロアチア戦でゴール)
・サウサンプトンFC
吉田麻也→クリック(コロンビアに粉砕)
・インテルナツィォナーレ・ミラノ
長友佑都 & フレディ・グアリン→クリック(両者の対決)
などです。
一方、日本ではどうでしょうか?
山口蛍、柿谷曜一朗、ディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)のセレッソ大阪、今野泰幸、遠藤保仁のガンバ大阪、キム・チャンス(韓国)、ハン・グギョン(韓国)の柏レイソル等、どこもワールドカップには触れていません。
そもそも、Jリーグは日本代表を育てるために作ったと聞いています。だったら、代表選手を出しているクラブはもっと誇ってもいいはずです。
日本のクラブからヨーロッパのクラブへ移籍すると、その選手に私たちは時として「世界へ羽ばたけ」、「世界に羽ばたく」などと賛辞を贈ります。
世界に羽ばたくとはそういうことでしょうか?
ドイツで泳ぐだけかもしれません。英国で走るだけかもしれません(もっとも、走るのはサッカー選手の仕事ですが)。
「世界に羽ばたく」というのは、どこの地域(とりわけヨーロッパ)でプレーするかということではなく、まさに世界のいたるところのチームと戦う、もっと具体的に言えば、ナショナルチームの一員としてワールドカップやオリンピックでプレーするということではないでしょうか?
その意味では日本でプレーしていても十分世界に羽ばたけるということです。
「グローバリゼーション」という言葉があります。世界に羽ばたくというのはまさにグローバライズでしょう。
ただ、日本で「グローバリゼーション」というと、アメリカ文化に毒されることを意味することがありますので、要注意です。
同じように、「世界に羽ばたく=ヨーロッパのクラブへ移籍する」ではないことを理解するようにしたいものです。
そして、そのためには、Jリーグのクラブも、是非、自分のチームからナショナルチームへ招集された選手に対しては、敬意を払い、広く情報を発信してほしいと思います。
それが、まさに世界に羽ばたくことにつながります。
La Nordaj Lumoj / The Northern Lights ☆アイルランド,スコットランド,ウェールズに思いを馳せつつ、世界を冷静な目で見つめます。/ ☆Sopirante Irlandon, Skotlandon kaj Kimrion, mi rigardu Japanion kaj la tutmondon de la kritika vidpunkto. /☆Longing to Ireland, Scotland and Wales, I shall look at Japan and the world from the critical point of view.
2014/06/25
2014/06/23
ボスニア・ヘルツェゴビナのオシムさん
民族共存へのキックオフ
~‟オシムの国„のW杯~
6月22日のNHK総合テレビ、NHKスペシャルで標記の番組がありました。
元サッカー日本代表監督のイヴィツァ・オシム(Ivica Osim)さんと今回のサッカーワールドカップブラジル大会にただひとつの初出場国であるボスニア・ヘルツェゴビナ代表の物語です。
旧ユーゴスラビアが複数の国に分裂し、それぞれが独立する中にあって、そのひとつであるボスニア・ヘルツェゴビナはムスリム人、セルビア人、クロアチア人を中心とした多民族国家で、民族対立を続け、内戦にまでなりました。
内戦が終結した後も民族対立は残ったままで、サッカー界もそのあおりを受け、2011年、ボスニア・ヘルツェゴビナサッカー連盟はFIFAから除名されました。
そのままでは国際試合に参加することができません。
そのピンチに際しサッカー連盟をひとつにまとめ、国際社会への復帰を果たしたのに大きな役割を担ったのがオシムさんでした。というより、ほとんどオシムさんの力でこの危機を乗り越え、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表がW杯への進出を果たすまでになったのです。
番組ではボスニア・ヘルツェゴビナサッカー連盟の混乱とオシムさんの尽力による収束、サッカーボスニア・ヘルツェゴビナ代表チームの躍進と今回のワールドカップ進出への軌跡、代表チーム主将のズヴェズダン・ミシモヴィッチ(Zvjezdan Misimović)、エースストライカー、エディン・ジェコ(Edin Džeko)の生い立ちを紹介するとともに、サッカーが民族融和に果たした役割、ワールドカップ出場に沸くボスニア・ヘルツェゴビナ国民の姿を映し出した、いわばドキュメンタリーです。
私はもちろんオシムさんに会ったことはありませんし、ましてや話をしたこともなく、木村元彦(きむらゆきひこ)さんによる集英社文庫「オシムの言葉」(集英社,2008)を通じてくらいしか知識がありませんが、番組ではオシムさんの信念、オシムさんの行動を伝えてくれました。
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この番組は恐らく再放送されることと思います。
今回見逃された方、敢えて見られなかった方は再放送があったら、サッカーファンでなくても一度ごらんになられるとよいと思います。
サッカーとは?民族とは?
考えさせられる番組です。
また、この機会に中高生あるいは小学生高学年の人たちには是非読んでいただきたい本を紹介します。
木村元彦さんが書かれた「よりみちパン!セ」シリーズの「オシムからの旅」(理論社,2010)です。この本では、オシムさん、ドラガン・ストイコビッチそしてサッカーについてだけでなく、旧ユーゴスラビアから内戦を経てのボスニア・ヘルツェゴヴィナの歴史にも触れられています。
民族同士の憎しみの愚かさをも教えてくれます。
ただ、私はこれだけカリスマ性を持ったオシムさんが亡くなった後-いずれその日は来るのですが-のボスニア・ヘルツェゴビナが、再び民族抗争を起こさなくてすむのかどうかを考えると少々心もとなくなります。
それは旧ユーゴスラビアのチトー(Josip Broz Tito, Јосип Броз Тито)大統領が亡くなった後のユーゴスラビアの混乱を思い起こさせるからです。
民族の対立で「得をする人」はごく一部です。ごく一部の特殊な人たちです。その人たちのためにしかならない対立は私たちの生活には全く持って無用のものです。
オシムさんを通して学ぶことはたくさんあります。
2014/06/01
ナビスコ杯 大宮戦
しっかり守るも得点できず
大宮アルディージャ 0-0 アルビレックス新潟
ヤマザキナビスコカップ予選最終戦、大宮アルディージャ×アルビレックス新潟は6月1日、ナック5スタジアム大宮で行われました。
新潟が予選突破するためには、この試合で6点差以上で勝利することに加え、名古屋が浦和に負け、柏が徳島と引き分け以下であることが条件で、普通に考えれば不可能と言わざるをえません。しかし、ナビスコ杯は単に勝ち負けというより、中断明けに向けて、どの選手をどのように起用するのかといった監督の戦術にも関わってきます。
出場する選手は自分の持ち前を発揮し、アピールする場でもあります。
新潟はこの試合の2トップに田中達也と鈴木武蔵を起用しました。川又堅碁はベンチスタートです。
立ち上がりは両チーム甲乙つけがたかった、というか、丙丁つけがたいといった感じでしたが、前半24分、レオ・シルバが新潟PA内で相手を倒しPKを与えてしまいました。
失点を覚悟した新潟でしたが、このPKをGK守田達弥が見事にセーブし、大宮の希望を打ち砕きます。
しかし、新潟はこの好プレーに応えることができません。
両チームスコアレスで折り返した後半開始直後、相手選手がこの日2枚目のイェローカードで退場し、新潟は数的優位に立ちます。
当然攻め込むであろう新潟ですが、それができないままズルズルと時間が過ぎ、終了近くには幾度となくピンチを迎えます。
しかし、DF陣はしっかり守り、相手に得点を許しません。
一方の新潟も後半13分には達也に代え堅碁を、成岡翔に代え加藤大を投入しますが、ゴールの匂いがしてきません。
後半25分には岡本英也を下げて小泉慶を入れますが、それも奏功せず、結局スコアレスドローに終わりました。
とにかく点の取れない新潟です。
中断期間にはそのあたりのところをしっかり修正し、上位戦線に食い入ってほしいと思います。
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