2012/06/01

財政条約国民投票

批准確定

EUの財政安定化のためとする「財政条約*」批准の国民投票が5月31日、アイルランド全土で行われ、現在(日本時間6月1日20時)開票作業が続いています。

*財政条約:日本の新聞記事等では財政協定とすることが多いのですが、英語ではFiscal(Stability) Treatyと言います。このtreatyは従来「条約」と訳されてきたので、ここでも「条約」とします。]

この国民投票に当たり、ケニー首相(Taoiseach Enda Kenny)はこの条約はヨーロッパの財政を安定させるものとして支持を呼び掛けました。
一方、シン・フェイン(Sinn Féin)アダムス(Gerry Adams)党首はこの条約は更なる緊縮を強いるだけで、財政安定化にはつながらないとして、反対票を投ずるよう訴えました。また、社会党(Socialist Party)ヒギンズ(Joe Higgins)党首はこの条約は潰されるべきだと批判しました。

アイルランドの公共放送RTÉによると、投票率は伸びず50%程度だったようです。
選挙区ごとに開票が行われていますが、ダブリン(Dublin)やドネゴール(Donegal)の一部で反対票が伸びているものの、全体としては賛成票が約60%を得て条約は批准されそうです。

自らも財政危機に直面しているアイルランドでの国民投票の結果はEUの財政危機克服の道筋に影響を与えそうです。

6月2日追記
そして6月1日夕刻(日本時間6月2日早朝)全選挙区で開票が終了し賛成60.3%、反対39.7%でこの条約は批准されました。ドネゴール全域(2選挙区)、ダブリンの3選挙区で反対が賛成を上回りました。投票率は50.6%とようやく過半数に達しました。

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