2016/08/31

どうなる東電柏崎刈羽

 アルビレックス新潟が好きだからというわけではありませんが、私は東北でも関東でも北陸でもない新潟には強い関心を持っています。

 そんな中で東京電力(東電)柏崎刈羽核発電所(いわゆる原子力発電所)の再開を巡る泉田新潟県知事の確固たる姿勢に共感してきました。

 その強硬姿勢のためかどうか、今回、泉田知事は10月の知事選への立候補表明を撤回すると発言しました。背景には地元有力紙である新潟日報との軋轢があったやに報じられています。

 事実はどうなのでしょうか?そして泉田知事の本心はどうなのでしょうか?

 次の知事選を巡っては、長岡市長の立候補がとりざたされる一方、新潟県の自民党、民進党など各政党は泉田知事への推薦を保留したままです。恐らくは長岡市長を推すのではないかと思われます。そうなると、支持基盤が崩れる泉田知事の当選は危うくなるでしょう。

 自民党は当然のごとく核発電所の再稼働を積極的に推進していますし、民進党は東電労組との関係から核発電所の稼働には前向きと思われます。この2つの政党が核発電所推進の候補者を推薦する可能性は十分にあり、その候補者が当選した場合、柏崎刈羽核発電所再稼働の動きは一挙に加速することでしょう。これは現政権にとって思うつぼです。

 それにしても、泉田知事の立候補撤退の理由は理由になっていませんし、新潟日報の反論もレベルが低過ぎます。子供のけんかみたいです。泉田知事のあの程度の発言が「圧力」ですか?
 
 表面的にはフェリー購入資金問題が原因のように言われていますが、「中央に物言う難しい県知事」、「東電を困らせる困った県知事」に対する嫌悪感があるようにも思われます。
 ただ、何しろ、経済産業省OBの泉田知事ですから発言に説得力があります。

 泉田知事は自分が正しいと思ったら政党の支持がなくても立候補すればよいのではないでしょうか。また、新潟日報も「圧力だ」とか「誤報と思わせるような・・・」とかわめき散らすだけでなく、県側の言い分もきちんと掲載し、県民に判断を仰げばよいだけのことです。片方の見解を掲載しないのですから、「誤報」ではなく、「不掲載」と言うべきです。誤った報道(誤報)ではなく、意図的な情報隠しです。

 核発電所に依存してきた地方都市にとって、それがなくなることは死活問題になりかねないことは理解できます。しかし、大きな目で見れば、核発電所の存在が決してその地方の利益につながるものではないことは福島が教えてくれました。
 もちろん、東電社員を含むその地域の人達の生活は保障されなければなりませんし、その一旦はこれまで核発電所推進を容認してきた日本国民全体が担うべきであるとも思います。

 新聞社は紙面でどれほど「格好いい」ことを言おうと、所詮は現在の経済システムの中で、広告主に牛耳られながら生きている一企業に過ぎないのでしょうが、それだけでは先が見えています。

 これまで、地方紙の中でリーダーシップを発揮し、優れた報道、出版を行ってきた新潟日報です。ここで自らの名を汚すような愚策はやってほしくありません。
 泉田知事も是非堂々と知事選に立候補していただきたいと思います。

 その結果落選すれば、それはそれで民意というものです。

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