2020/02/11

どうするシン・フェイン

シン・フェイン大躍進
第1党は共和党(フィァナ・フォイル)

 アイルランド下院議員総選挙の全議席が確定し、結果は以下の通りです。(得票率順)

シン・フェイン(SF) 37(24.53%)
共和党(FF)     38(22.18%)
フィナ・ゲール(FG) 35(20.86%)
無所属・他(OT)    21(15.39%)
緑の党(GP)     12(7.13%)
労働党(LP)       6(4.38%)
社会民主党(SD)     6(2.90%)
(略)連帯(SPDP)   5(2.63%)

 議席は全部で160ですから、半数は80で、上位3党のうちどの2党の組み合わせでも過半数を達成できません。単独与党ではとても持ちませんから、どうしても連立、しかも3党以上の連立が必要です。

 これまでのFG+FFが否定された結果ですから、この組み合わせはないでしょう。

 ここで注目されるのは劇的な大勝という結果のSFの動きです。

 SFの議員の一部が選挙戦勝利の後アイルランド共和軍(IRA)を鼓舞する「Up the RA!」と叫ぶ一方、党内にはIRAを支持する呼びかけを停止しようとする動きもあります。また、SFがGPやLP、SDなど"左派"勢力に連立を呼び掛ける可能性もあります。

 ただ、私はSFがあわてて政権の中枢に座ることは避けた方がよいと思います。党内や国内、そしてイングランドに占領されている北アイルランドでは一挙にアイルランドと北アイルランドが統一する期待があるかもしれませんが、SFは政権運営の経験がありません。
 アイルランドにはかつて一部がテロリスト集団を作っていたアイルランド共和軍(IRA)の後ろ盾になってきたSFに対し嫌悪感を抱く国民もいるといいます。

 ずる賢いイングランド政府を相手にするには、"真っ向勝負"ではなく、これまで英国(≒イングランド)とのパイプを築いてきた第一党のFFに花を持たせ、FF+SF+GPといった中道左派政権の中で統一の道を作り、近い将来の北アイルド併合を目指した方がよいと思います。

 理想を達成するために現実に対応することも必要です。

 でもやはり、Tiocfaidh ár lá !(Our Day will come!)です。

 その動きはスコットランド再独立につながる可能性があります。

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