雪の日に思う秋-春制
4年前のこのブログ(前身はMSNブログ)にJリーグの開催を秋-春にするという当時の日本サッカー協会(JFA)の考えについて書いたことがあります。
-----------こんな記事です(2007年2月26日)------------
Jリーグ開幕時期は?
世界の流れは秋・・・しかし
今朝の一般紙スポーツ欄に「J秋開幕、寒さが壁」という記事があり、その新聞社がJリーグ31クラブから得たアンケートの結果が載っていました。
回答は20クラブから得られ、賛成5、反対6、判断できない・どちらでもない9とクラブ名入りで出ています。
ヨーロッパが軒並み秋開幕であり、移籍や、その他のスケジュールを合わせるのに都合がよいというのが賛成の立場の論拠ですが、私自身は、現段階では時期尚早と思っています。
理由は①単に「寒さ」というのではなく、雪対策に大規模な設備投資が必要である、②冬の交通確保が難しい、③日本の「学期」、「学年」とのずれが生じる等です。一方、秋開催の場合、夏の暑い時期に選手に無理を強いないというメリットもあり、もし条件が整えば「国際基準」である秋開催の方がよいのかもしれません。
ヨーロッパの多くの国では、サッカーは生活にとけ込んだ文化になっていますが、日本でそのレベルになるにはまだまだ遠い道のりです。雪国のスタジアムの整備に地方自治体(税金)を含め多額の経費をかけることに、今すぐ国民的なコンセンサスが得られるとは思えません。
ただ、北中米の一部とアジアの一部でしか一般的なスポーツになっていない超ローカルな野球と異なり、サッカーでは、本当の意味での(アメリカ化ではない)グローバルな基準に合わせようとする方向性は間違っていないと思います。
将来的には秋開幕に持って行く可能性を残しながらも、今は現状維持の方が無難なような気がします。
それにしても、この新聞社のアンケートに答えた20クラブの中にアルビレックス新潟が入っていないのは残念です。もしかすると、匿名希望で「反対」と回答した1クラブがアルビかもしれませんし、回答しなかった11クラブの1つかもしれません。
新潟が北国の雄を自認し、アルビも新潟をホームタウンとするクラブであるなら、その発言はかなりの影響力を持つと思います。クラブには是非態度を表明していただきたいと思っています。(ここで書いても仕方ないので、その旨クラブには意見を送りました。)
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また、その後、アルビレックス新潟のサポーターを中心に「Jリーグ冬開催反対」の署名活動がおこり、その影響も確実にあり、当面の秋春制移行は棚上げされました。
しかし、また日本サッカー界の活動全体を見直す動きの中で秋-春制が再び頭をもたげそうな雰囲気もあります。
ヨーロッパへ移籍する選手が増え、制度をヨーロッパに合わせることによる利点もあります。ロシアリーグの開催時期も秋-春を目指しています。
奇しくも全国に大雪をもたらしている今日、また考えてみました。
昨日、今日と大学入試センター試験は毎年この季節に行われ、今年だけでなく毎回同じような光景が見られます。
こんな日がJリーグの試合日だったらどうするのでしょう。
受験生は「ねばならない」ので何としてでも出席し、時間が繰り下げられても試験を受けるでしょう。
サポータに出席義務のないゲームではこうはいかないでしょう。
入場者は激減し、無観客試合とは言わないまでもガラーンとしたスタジアムで試合だけが行われることも考えられます。また、日程延期もありえます。
それは、いくつかのスタジアムのように雪対策を施してある場合でもです。
夏についても同じようなことが言えます。
FIFAは2022年に行われるワールドカップカタール大会について、開催を冬にできないか検討するようカタールに対し要請しています。
スタジアムに暑さ対策がなされていても、スタジアム外での選手、観客のコンディションが悪化する危険があるからです。
何がいいたかというと、雪や暑さの対策はスタジアムにだけ施せばいいというものではなく、地域全体、もっと言えば国全体での対応が必要ということです。
それを考えれば、4年前と状況は全く変わっていません。
やはり、秋-春制は時期尚早と思います。
理由は他にもあるかもしれませんが、大学入試センター試験は時期の変更、あるいは中止が検討されています。